目もとは顔の印象を大きく左右し，加齢に伴う変化や疲労感が現れやすい．そのため，近年，若々しく元気な印象の目もとを保ちたいという需要は，中高年に限らず，若い世代からも多くなっている． 本稿では，目もとの美容施術としておもに段差をなくすことに着目した，ヒアルロン酸製材，細胞外マトリックス（extracellular matrix；ECM），多血小板血漿（platelet rich plasma；PRP）などの注入療法について記述する．とくに，ヒアルロン酸製材の注入は段差をなくす治療の柱になる．ただ単に溝を埋めるだけではなく，患者それぞれの状態を解剖学的に診察したうえで，治療を行うことが大事である．