ピコ秒(pico second;PS)レーザーは,超短時間のパルス幅(10−12秒=1ピコ秒)でエネルギーを放出する機器で,従来のレーザー治療技術を飛躍的に進化させている.その歴史は,1960年代のルビーレーザーの発明に遡る.1980年代には,ナノ秒(10−9秒)レーザーが登場し,皮膚科領域では太田母斑などの治療におもに利用されるようになった.これにより,色素性病変やタトゥー除去が可能になったが,周囲組織への熱拡散による色素沈着や瘢痕形成が課題として残った.とくにタトゥー除去では,色素沈着や瘢痕形成のリスクが高く,治療効果も限定的であった.また,アジア人の表在性色素性病変,とくに肝斑の治療においては,周囲組織への熱の影響により術後の炎症後色素沈着が問題となった.
                美容皮膚科講義
              
 第33回 ピコ秒レーザーの進歩
                  掲載誌
                
 
                  Bella Pelle
                  Vol.10 No.1 53,
                  
                    2025
                  
 
                    著者名
                  
  
                          山田 秀和
                        / 
                          根本 美穂
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                          松本 彩希
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        / 
                          連載
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          皮膚疾患
                        
                    診療科目
                  
  
                          皮膚科
                        / 
                          美容皮膚科
                        / 
                          美容外科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      Bella Pelle
                    
 
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。