後天性真皮メラノサイトーシス(acquired dermal melanocytosis;ADM)は,成人以降に発症するため,ほかのシミと混在することも多い.このため,レーザー治療だけで消失する先天性の太田母斑と異なり,ADM以外の病変の治療も考慮する必要があると考えている.本誌13号で,「ADMはあざではなくシミとして治療をする」というテーマで書いたので,参考にしていただくとよい1)

ADMは,表皮基底層に色素沈着を認め,真皮上層に紡錘形の真皮メラノサイト様細胞が出現し,線維間に平行に存在する.ADMの原因は不明であるが,通常,胎児期に未分化メラノサイトは真皮を通って表皮に侵入するところ,未分化メラノサイトが真皮に残存し,それがホルモンや紫外線,慢性的な炎症により真皮で成熟し,メラニンをつくり出すようになるといわれている.