くすみは肌状態を表す用語として広く認知されているが,その定義は1995年に日本化粧品工業連合会から提出された定義案によると,以下の状態とされている.
①皮膚の赤みが減少して黄みが増加
②皮膚のツヤや透明感が減少
③皮膚表面の凹凸などによる影のため明度が低下
また,くすみの要因としては,血行不良による赤みの低下,メラニンの沈着,皮膚の弾力低下,角層の肥厚,皮膚表面の乱反射,黄ばみなどが挙げられている.
この定義にあるように,くすみは複合的な要因により引き起こされていると考えられ,メラニンと血流それぞれに由来するもの,両方に起因するものがあり,この両者を併せた原因が最も多いといわれている.さらに,季節変化,ホルモンバランスによる体温の低下や加齢,一時的な疲労や睡眠不足なども要因として報告されている1).
本項では,さまざまな要因によって起こる「くすみ」に対して,当施設で行っている機器を用いた治療の実際について紹介していく.