総説
ロイコトリエンとインスリン抵抗性
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- 掲載誌
- Diabetes Frontier Vol.28 No.6 623-629, 2018
- 著者名
- 小川 渉 / 細川 友誠 / 細岡 哲也
- 記事体裁
- 抄録
- 疾患領域
- 代謝・内分泌 / 糖尿病
- 診療科目
- 糖尿病・代謝・内分泌科
- 媒体
- Diabetes Frontier
- Key Words
- ロイコトリエン/インスリン抵抗性/ロイコトリエンB₄/リポキシンA₄/5-リポキシゲナーゼ
ロイコトリエン(leukotriene:LT)は,膜リン脂質から遊離したアラキドン酸が5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)依存的に酸化されることで産生される炎症性脂質メディエーターであり,LTA₄,LTB₄,LTC₄,LTD₄,LTE₄の5種類が知られている。LTB₄の好中球遊走作用やLTC₄,LTD₄,LTE₄の気管支収縮作用,血管透過性亢進作用などが古くから報告されており,LTが急性および慢性炎症疾患の病態において非常に重要な役割を担うことが明らかにされてきた。そのため,LTは,さまざまな炎症性疾患の創薬標的として注目されており,受容体の同定,受容体遺伝子欠損マウスの解析,受容体拮抗薬の臨床利用が進められている。
最近の研究において,LTB₄の産生酵素である5-LOXや受容体であるBLT1の遺伝学的・薬理学的阻害実験により,LTB₄がインスリン抵抗性や代謝異常の病態に関与することが報告された。また同時にリポキシンA₄(LXA₄)をはじめとする炎症収束性脂質メディエーターが,インスリン抵抗性や代謝異常を改善する可能性が示され注目を集めている。本稿では,LTB₄やLXA₄を中心とした脂質メディエーターのインスリン抵抗性や代謝異常における意義とその分子機構について概説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
