高齢化に伴う骨粗鬆症の増加，あるいは小児の骨の脆弱化に伴う骨折の増加などから，近年骨疾患に対する関心がますます高まりつつある。本誌は，骨に関する最新の基礎的および臨床知見を，主として一般の医師および医学生に分かりやすく解説し，骨疾患に対する理解を深めることをねらいとした学術情報誌である。
特集 生活習慣病と骨粗鬆症―最新の基礎研究と臨床のトピック―
○特集にあたって／竹内靖博
Ⅰ．生活習慣病としての骨粗鬆症
１．遺伝的素因と骨粗鬆症―GWASからみた低骨密度と骨折―／浦野友彦
２．酸化ストレスからみた骨粗鬆症／清水孝彦
３．サルコペニアからみた糖代謝異常・骨粗鬆症／植木浩二郎
４．生活・運動習慣からみた骨粗鬆症と骨折／藤原佐枝子
５．食習慣からみた骨粗鬆症と骨折／上西一弘
Ⅱ．生活習慣病の骨粗鬆症への影響
１．2型糖尿病／笹子敬洋 ほか
２．慢性腎疾患／今西康雄
３．慢性閉塞性肺疾患／渡部玲子 ほか
４．高尿酸血症／金沢一平
Ⅲ．トピックス
１．ビタミンDの糖代謝と血圧調節における役割／田井宣之 ほか
２．生活習慣病治療薬の骨粗鬆症と骨折に対する影響／木下祐加
３．骨粗鬆症の早期診断マーカーへの期待／三浦雅一 ほか
■座談会
骨サミット2017
基礎系座談会「骨・運動器領域の基礎研究の国内外の動向」／小守壽文／宿南知佐／小林泰浩／池川志郎
臨床系座談会「骨ミネラル代謝研究・臨床における国内外の動向」／田中良哉／遠藤直人／杉本利嗣／伊東昌子
■連載
○ホネのかたち 骨を見る立ち位置(6)―肩，鯨類での特殊化―／遠藤秀紀
○日本骨代謝学会との提携コーナー
海外文献紹介×Hot paper／山岡邦宏／宮本健史／福本誠二
■巻頭
○グラビア「ビスホスホネート投与および投与中止後の骨芽細胞・骨細胞の組織学的変化」／坪井香奈子 ほか