2016.09.06 発売
実践 検査データをよみ解く
~隠れた病態を見つける解析ロジック~
監修米川 修
臨床医学_一般 > 臨床検査診断学
| 定価 | 3,080円(本体2,800円+税) |
|---|---|
| 発行形態 | A4判 / 94ページ |
| ISBN | 978-4-7792-1746-3 |
おすすめポイント
日常診療の現場で多く汎用されている基本的検査の活用法。
内容紹介
医療の目的・責務とは何か?病める患者に対する的確な診断に基づく迅速適正な治療である。
では、診断に求められることは何か?迅速的確であることは当然であるが、患者に対する侵襲を最低限に留めることがまず重要である。理想は、医療面接と身体診察のみでの正確な診断である。今話題の総合診療医が現場に浸透してくれば理想の日も近いかもしれない。一方、我々はすでに検査なくして医療を行えない状況下にある。科学の進歩を考慮すれば、検査に依存しない未来の医療は考えにくい。とすると、医療面接と身体診察に検査を有効に統合した、より客観的・科学的な診断の実現が一層求められることになる。
検査にとって第一に重要なのは、患者の病態を把握したうえでの的確な検査計画である。次に求められるのは、検査結果を系統的に解析することである。
今、医療の現場で切実に求められているのは感度特異的に優れてはいるが高価で侵襲性の高い検査の導入ではなく、日常診療の現場で多くの患者に汎用されている基本的検査の活用である。いかに系統立てた解釈をすることで診療に効率良く還元するかの方策である。この作業過程が効率良く機能すれば主治医の解釈の誤り、見落としを防止するだけでなく、主治医や患者自身さえも気づかぬ病態を検出することも可能となり医療面接、身体診察だけではできない検査本来の業務を果たせることにもなる。つまり、医師、患者、検査室の三者にとって「Win Win」の理想的な関係も構築可能である。
今回、我々は検査の書籍を上梓することとした。検査の書籍は多い。検査の専門家の著したもの。臨床家が症状の観点からアプローチしたもの。あるいは、患者向けになされた検査の意味と解釈を記したものなどなど。
我々が目指したものは何か?いかなる症状・所見を持って外来受診をしようが一切関係なく、なされる基本的検査の結果からどういう病態が見いだされるかを効率良く探ることである。系統的に解析することで患者を悩ました病態の診断が可能になるだけでなく、患者自身も、主治医も気づかぬような潜在する病態の検出も可能ならしめることを目的としている。当院の取り組んできた「後方診療支援システム」の概要の紹介も兼ねている。
検査の仕事とは、「情報の生産管理」である。「情報」とは、それを知ることで次に取るべき行動の正当性有用性を保証するものである。また、取った行動の正当性有用性を確認するものである。基本的検査を真の「情報」となるべく付加価値つける作業を効率的・永続的に行って患者とその主治医に貢献することを目的としたのが「後方診療支援システム」である。
検査データの系統的解析が、「医療の質の保証(medical audit)」と「危機管理(risk management)」となり、患者や主治医のみならず組織自体を守ることの実践にもなるのである。
この本を学ぶことで日本の医療の質の向上に読者諸賢が貢献していただけることを期待する。
(米川 修「序」より)
目次
Ⅰ 全身状態
・TC異常
・貧血
・甲状腺機能低下症疑い
・副甲状腺機能亢進症疑い
・CK異常
Ⅱ 電解質
・K異常
・Na-Cl異常
Ⅲ 肝 胆
・ALP異常
・LD異常
・D-Bil/T-Bil異常
Ⅳ 腎
・UN異常
・UA異常
Ⅴ 止血凝固
・APTT延長
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