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「不整脈2013」の表紙
書籍

2013.10.01 発売

Medical Topics Series

不整脈2013

監修杉本 恒明

編集井上 博

臨床医学_内科系 > 循環器

定価4,400円(本体4,000円+税)
発行形態B5判 / 204ページ
ISBN978-4-7792-1150-8

おすすめポイント

不整脈治療の最新のトピックスを臨床と関わりの深い基礎的研究も含めて詳細に,かつわかりやすく解説。

内容紹介

不整脈の話題を追って、シリーズが続いている。監修者として、いただいた原稿を誰よりもいち早く拝見できるのは嬉しいことである。

拝見していて、気がついたことを箇条書きにしてみた。第一に、まずはチャネル生理学などの基礎的研究の進歩があった。KATPチャネルは心筋保護の機能をもち、心筋虚血像の成り立ち、さらには不整脈発生に重要な役割をもつ。これが今日、心房細動、J波症候群などにも関与することが知られてきた。治療上の意義からCa動態に関わるリアノジン受容体への注目も大きい。iPS細胞の研究は不整脈の分野でも進行中であるが、細胞の薬物反応が細胞の成熟度によって異なることが示されていた。

第二には、関連する遺伝子基盤の研究の進展がある。臨床的に関心がもたれているのは心房細動であるが、この分野でもテイラーメイド医療が期待できるのは近い将来のことであろう。

第三に、話題性のある症候群として右脚ブロック、J波症候群、Brugada症候群の研究の進歩があった。J波の発現率は1~9 %であるが、特発性心室細動例では31 %にみられるという。両者のJ波は何が異なるのかはまだ判らない。

第四に、私自身が興味をもったことに、体位性頻脈症候群には心筋シンチグラフィ上MIBGの欠損をみる例が存在するということがある。これはパーキンソン症候群では特徴的な所見であり、その14%に突然死がみられるという。疾患の類似性、ないしは自律神経機能の意味を教える所見なのではなかろうか。

第五は、心房細動臨床の進歩である。レートコントロールにおける目標心拍数の設定、新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulants;NOAC)の効用と使い方についてエビデンスが蓄積され、米国、欧州、日本での成績が比較検討されている。

第六に、ホルター心電図記録の適応範囲の拡大がある。心室期外収縮連発数の予後上の意義が示されていたが、T波交互脈、遅延電位についても終日の心電図を漏れなく網羅した記録としての再評価を受けつつあるようだった。12誘導心電図からの不整脈起源の推定は、アブレーション技術の進歩から見直された面もあって、これがまたアブレーションを成功させる鍵にもなっていくようである。

第七にアブレーション技術の進歩として心外膜アブレーションが話題になっている。

第八には、ICD植え込み後の頻回発作、つまりelectrical stormへの対処があった。また、アミオダロンの静注薬が手元に置かれるようになって、その解説は時宜を得ている。

本シリーズは、多くの研究者に支えられ、続けることができて今日に至っている。疾患概念、病態、治療のあり方、そしてその背景にある考え方には時代の変遷が読み取られて、興味深い。今、最もup to dateな知見を前にして、感慨が深かった。最新の知見の集大成として、本書がますます活用されることを願っている。さらに一言、本文中には保険適応の有無に言及されているところもあった。実践的に思われて、感心したのであった。


(杉本恒明「序文」より)

目次

基礎

1.心臓伝導障害の遺伝子基盤/蒔田直昌

2.KATPチャネルの基礎から臨床まで/中谷晴昭

3.リアノジン受容体と不整脈/大草知子

4.重粒子線照射の不整脈治療への応用/網野真理 ほか

5.iPS細胞による不整脈研究の新展開/江頭 徹 ほか


臨床

1.法医学からみた心臓突然死/西田尚樹

2.右脚ブロックを見直す/相澤義房

3.J波症候群の基礎:どこまでわかったか/古川哲史

4.J波症候群の臨床:どこまでわかったか/河田 宏 ほか

5.体位性頻脈症候群:機序と治療/水牧功一

6.イオンチャネル病としての心房細動/堀江 稔

7.生活習慣病と心房細動/山下武志

8.心房細動治療ガイドライン:北米,欧州のガイドラインを日本の診療にどう活かす?/三田村秀雄

9.心房細動のレートコントロール:目標心拍数とは?/髙橋尚彦

10.新規経口抗凝固薬とワルファリンの使い分け/矢坂正弘

11.12誘導心電図による心室不整脈起源の推定/夛田 浩

12.心外膜アプローチによる不整脈アブレーション/上田明子 ほか

13.ホルター心電図による心イベントの予測/池田隆徳

14.Electrical storm:実態と管理/栗田隆志

15.ACLSと抗不整脈薬/源河朝広

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