論文・記事一覧
ESPOIR Vol.9 No.1 15-19, 2026より
TOPICS
前立腺癌におけるリンパ節郭清
西野 貴斗 / 桃沢 幸秀
前立腺癌に対する骨盤リンパ節郭清(pelvic lymph node dissection:PLND)は,サンプリングによる組織診断からより詳細な診断,そして治療を目指して限局→拡大郭清へと変遷してきた。ロボット時代に入りさまざまな知見が得られ,その「意義」・「適応」・「手技」が改めて見直されている。本稿では,PLNDの現在の立ち位置を総説する。
ESPOIR Vol.9 No.1 11-14, 2026より
TOPICS
前立腺癌診療ガイドライン2023年版アップデートの概要
三宅 秀明
ESPOIR Vol.9 No.1 7-10, 2026より
TOPICS
前立腺がん検診ガイドライン(2025年版)
関根 芳岳 / 鈴木 和浩 / 新保 正貴
前立腺がん検診ガイドラインは,2008年に初版が刊行され,2010年に増補版,2018年に「前立腺がん検診ガイドライン2018年版」が作成された。一方,2023年に発表された「前立腺癌診療ガイドライン2023年版」では,前立腺がん検診に関するCQとして「中高年男性に対するPSA検査による前立腺がん検診は推奨されるか?」が設定されたが,このCQに対する文献検索が実施されてからすでに3年が経過し,また2018年版の発刊から7年が経過したことから,ガイドラインの改訂が必要と判断され,2025年版が作成された。
ESPOIR Vol.9 No.1 2-6, 2026より
PROSTATE CANCER FOREFRONT 前立腺癌最新治療の現場から
PSMA-PET/CTの実診療について
上村 博司
前立腺癌の診断と治療において,前立腺特異的膜抗原(PSMA)を標的としたアプローチが注目を集めている。従来の画像診断では捉えにくかった微小転移病変の検出を可能にするPSMA-PET/CTは,ステージング精度の向上や治療方針決定に大きなインパクトをもたらしている。さらに2025年9月,わが国初となるPSMA標的放射性リガンド療法「プルヴィクト®静注」が承認され,PSMA陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)に新たな治療選択肢が加わった。本稿では湘南鎌倉総合病院前立腺センターの上村博司先生に,PSMA-PET/CTの実診療における有用性から,PSMA標的治療の現状と将来展望,さらには普及に向けた課題まで最新の知見を解説いただいた。
The Lipid Vol.37 No.1 88-95, 2026より
Meet the Boss
平野 勉
平野 勉 / 森 雄作
The Lipid Vol.37 No.1 84-87, 2026より
留学体験記
No.19 ヨーロッパで研究するという選択:スイス・バーゼル留学記
荒木 裕貴
2024年6月より,スイスのバーゼル大学 BiozentrumのMarkus Rüegg研究室に留学しております,荒木裕貴と申します。この度は執筆の機会を賜り,心より感謝申し上げます。まだ留学生活の途中ではありますが,研究留学に興味のある皆様の参考になれば幸いです。
The Lipid Vol.37 No.1 73-78, 2026より
特集 肥満症―病態と治療―
6.高齢者肥満・高度肥満症の治療戦略
竹本 稔
高齢者肥満症は,内臓脂肪蓄積と骨格筋量低下が併存しやすく,フレイルや生活機能低下と密接に関連する。評価に際してはBMIのみならず,内臓脂肪量,筋量・筋力,身体機能を含めた包括的評価が不可欠である。治療では過度な減量を避けつつ,代謝改善と身体機能維持の両立を目標とし,食事療法と運動療法の併用を基本とする。近年は抗肥満薬や減量・代謝改善手術の選択肢も拡大しているが,高齢者では低栄養や骨・筋障害への配慮が重要であり,多職種連携による個別化治療が健康寿命延伸の鍵となる。
The Lipid Vol.37 No.1 66-72, 2026より
特集 肥満症―病態と治療―
5.減量・代謝改善手術
関 洋介 / 笠間 和典
生活習慣改善および薬物療法を主体とする内科的治療では,十分な減量効果や血糖コントロールが得られない高度肥満症患者に対しては,外科的治療(減量・代謝改善手術)が治療選択肢として考慮される。現在,日本においては,腹腔鏡下スリーブ状胃切除術およびバイパス術を併施するスリーブ状胃切除術(スリーブバイパス術)が保険収載されている。日本人高度肥満症患者を対象とした多施設共同研究では,術後1年時点の平均総体重減少率が29%,5年時点で26%と,長期的にも良好な成績が報告されている。2型糖尿病を併存する高度肥満症患者に対しては,外科的治療による血糖改善効果が顕著であることが明らかとなっている。現在,軽~中等度肥満を伴う日本人2型糖尿病患者を対象とした,内科的治療と外科的治療の有効性を比較するランダム化比較試験(BISTRO-DM study)が進行中である。
The Lipid Vol.37 No.1 58-65, 2026より
特集 肥満症―病態と治療―
4.新しい肥満症治療薬の開発動向―アミリン関連薬・レプチン関連薬・メラノコルチン関連薬と内臓脂肪減少薬(膵リパーゼ阻害薬)
中里 雅光
肥満症治療におけるインクレチン製剤の成功以降,摂食抑制を標的とした抗肥満症薬の開発が急速に進化している。生体内で産生される摂食抑制物質を基に,長時間作用型や酵素分解抵抗性,副作用低減化,安定的供給などへと改変する技術は,抗肥満症薬のラインアップに画期的な進歩をもたらしている。薬剤開発の応用研究には,末梢で産生される摂食調節物質の中枢作用機序解明の基礎研究が大きく貢献している。
The Lipid Vol.37 No.1 51-57, 2026より
特集 肥満症―病態と治療―
3.インクレチン受容体作動薬: 肥満2型糖尿病,肥満症の治療薬としての位置づけ
海道 陽介 / 瀬野 陽平 / 矢部 大介
インクレチン受容体作動薬は,血糖改善に加え中枢性食欲抑制を介して体重減少をもたらし,肥満2型糖尿病・肥満 症治療で重要性が増している。GLP-1受容体作動薬はDPP-4耐性により脳内受容体を持続刺激し,製剤の分子量差が減量効果に関与しうる。チルゼパチドは中枢作用と脂肪代謝調節で顕著な減量を示す。経口低分子化や多重作動化, GIP拮抗も進展する一方,ガイドラインに基づく適正使用と高齢者の低栄養・フレイル,医療経済への配慮が必須である。