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肝性浮腫―病態・診断・薬物療法

使用経験 トルバプタン投与例における尿中AQP2の意義

Significance of urinary AQP2 in administrarion of tolvaptan

細川貴範黒崎雅之泉並木

Fluid Management Renaissance Vol.4 Suppl., 103-107, 2014

「Summary」肝不全に伴う浮腫や腹水はQOLを低下させ,それに対する薬物療法として従来スピロノラクトン,フロセミドが主に使用されてきたが,効果不十分な症例も存在する。また,肝不全に伴う水貯留の機序は複雑であり,肝性浮腫におけるV2R-AQP2系の役割は十分には明らかになっていない。トルバプタンは腎の集合管のバソプレシンV2受容体を選択的に阻害する利尿薬であり,肝硬変における有用性が報告されたことを受け,肝硬変における体液貯留を適応として承認されたが,その効果は一定ではなく無効例も存在するため,その適正な使用法の解明が望まれる。一方,AQP2はAVPが集合管のバソプレシンV2受容体に結合すると集合管の水チャネルとして発現し水を再吸収するが,細胞内に存在するため測定は困難である。しかし,AQP2は一部が尿中に排泄され,尿中AQP2はAVPの刺激により上昇するためV2R-AQP2系の指標としての有用性が期待される。トルバプタン投与例において,トルバプタン投与後に尿中浸透圧が低下するとともに尿中AQP2も低下していた。このことから,尿中AQP2はV2R-AQP2系の指標として有用であり,トルバプタンの治療有効性の予測バイオマーカーとして期待される。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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