新刊
Case Report
播種性クリプトコッカス症,AIDS関連バーキットリンパ腫,CMV網膜炎,免疫回復ぶどう膜炎,MDSを呈した難治性CMV脳炎の一例
掲載誌
HIV感染症とAIDSの治療
Vol.16 No.1 44-50,
2026
著者名
阿部 静太郎
記事体裁
抄録
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連載
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症例
疾患領域
感染症
/
アレルギー・免疫
診療科目
感染症内科
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その他
媒体
HIV感染症とAIDSの治療
抗レトロウイルス療法(antiretroviral therapy:ART)の普及により,HIV感染症の予後は劇的に改善してきた。しかし,未治療の状態で高度の免疫不全に陥って初めて診断された場合には,複数の日和見感染症や悪性リンパ腫などのAIDS指標疾患を,同時期または連続して発症する可能性がある。また,ART導入後には免疫再構築症候群(immune reconstitution inflammatory syndrome:IRIS)を生じ,重篤な合併症をきたすことも経験される。
本症例では,播種性クリプトコッカス感染症およびAIDS関連バーキットリンパ腫といった重篤な病態を併発し,ART導入後にはサイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)網膜炎・脳炎および免疫回復ぶどう膜炎(immune recovery uveitis:IRU)を発症した。さらに,最終的には骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)も併発し,多面的かつ複雑な経過をたどった。
なかでもCMV脳炎は,血液脳関門の通過性などの課題から治療期間が長期化する傾向があり,管理が極めて困難な疾患とされる。本症例では,CMV脳炎の管理に難渋し,長期にわたる治療を要したが,最終的には改善を得ることができた。これらの多面的な疾患に対する総合的な治療過程を経験したため,その詳細を報告する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

