帯状疱疹は,Varicellovirus属に属するヘルペスウイルス感染症である。VZV(Varicella-zoster virus)は通常,気道粘膜より侵入し,皮膚に水疱を形成する(水痘発症)。その後水疱は痂皮化し,終生免疫を得るが,VZVは全身の知覚神経節に潜伏感染し続けるため,時に1つの神経節で再活性化が起こることがある。その際,神経行性に感染ウイルスが伝播し,神経支配領域に一致して帯状に紅斑および水疱が形成される(帯状疱疹)。症状としては,激痛や掻痒感を伴うことが多い。抗ウイルス薬により治癒するが,時に罹患部に疼痛が残存することがある(帯状疱疹後神経痛)。また基礎疾患のある免疫不全患者が帯状疱疹を発症すると,ウイルス血症を合併して2つ以上の神経節に散在性発疹を形成することがある1)。その場合,入院中であれば汎発性帯状疱疹として,水痘発症時と同様の空気感染対策をとる必要がある。

今回われわれは,HIV感染合併水痘・帯状疱疹ウイルス髄膜炎を経験したので報告する。