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肝性浮腫―病態・診断・薬物療法

使用経験 トルバプタンは何を改善するのか?―期待される腎保護作用も含めての検討―

The true efficacy of tolvaptan in patients with refractory ascites -a report of 40 cases in real clinical life settings-

大木隆正

Fluid Management Renaissance Vol.4 Suppl., 66-72, 2014

「Summary」トルバプタンは,非代償性肝硬変による難治性腹水患者の治療法として,十分考慮に値する効果を有する。自験例においては,約6割の症例で腹水の改善を認めた。しかしながら,Stage Ⅲ以上のコントロール不良の肝癌を有する症例,あるいは著しく肝機能が悪い症例に関しては,トルバプタンの効果は限定的であった。従来の利尿薬と異なり,トルバプタンは腎機能が軽度悪化していても比較的安全に使用可能であるが,経時的な腎機能悪化を注意深く観察する必要がある。また,トルバプタンを使用することで,穿刺排液などの侵襲的処置,加療に伴う入院措置を先送りにできる可能性が示された。病状が著しく進行する前の早期にトルバプタンを導入することが,良好な腹水コントロールを実現し,侵襲的な処置への移行を遅らせることを可能にするのではないかと期待される。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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