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特別座談会(脳と循環)

脳と循環―10年を振り返って

山口武典福内靖男早川徹山田和雄

脳と循環 Vol.11 No.3, 45-52, 2006

山口(司会)-本誌が創刊された10年前, 1995年に米国のNINDS(National Institute of Neurological Disorders and Stroke)のt-PA(tissue plasminogen activator)のトライアルがNew England Journal of Medicine誌に報告され, 1996年6月にはFDAで認可されました, diffusion/perfusion imagingが実用化され, 臨床でも使えるようになったのも同じ頃です. この『脳と循環』は非常にエポックメーキングな時期に創刊されたと言えます. この10年間で脳卒中はどのように変わったのか, 病態, 画像診断, 治療に分けてお話し頂きたいと思います. 「脳卒中の10年を振り返って-急性期医療を中心に」 山口-まず, 先生方はこの10年間の脳卒中の変化についてどのような印象をお持ちでしょうか. 福内-10年前から現在の兆しは十分あり, それが臨床面で実現したわけですから, 「画期的だ」という印象はそれほどありません. まず治療面では, t-PAの有効性が示されたことです. 私自身も含め, 当時の内科系医師の多くは非常に懐疑的であったと思います. しかし, この10年間で海外や我が国でもエビデンスがまとめられ, 我が国でもようやく2005年に承認されました. 「日本では新しい治療が実現するまでに非常に時間がかかるのだな」というのが実感です. 病態面-脳循環代謝面では, 10年前と言うとPET(positron emission tomography)やMRI(magnetic resonance imaging), diffusion/perfution imageなども実用化されつつあり, primitiveな方法で古くから言われていた脳循環代謝の病態が再確認された時期でした. その後, diffusion/perfusion MRIなどは臨床に関係して発達してきていますが, 十分とは言えません. 結論的には, 治療面以外では10年間驚くほどは進歩していないという印象ですね.

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