<< 一覧に戻る

知っておきたい悪性中皮腫

悪性腹膜中皮腫の診断と治療

中野孝司

Surgery Frontier Vol.15 No.2, 54-59, 2008

Summary 悪性腹膜中皮腫は全中皮腫の10%を占めるまれな悪性腫瘍である. 胸膜中皮腫よりもアスベスト曝露歴を有する比率が少ないが, 明らかに高濃度曝露であり, アスベスト工場では胸膜よりも腹膜に多く発生する. 女性比率は40%と胸膜中皮腫より多く, 組織亜型も上皮型の割合が高い. 腹膜中皮腫には高分化型乳頭状中皮腫など, アスベストとは無関係な低悪性度の疾患群が存在する. 悪性度の高い腹膜中皮腫の臨床病態には, 著明な腹水貯留がみられる反面, 腹腔内の腫瘤形成の少ない腹水貯留型, 逆に腹腔内に腫瘤形成が目立つが, ほとんど腹水を認めない腫瘤形成型, および両者を認める混合型の3亜型がある. 腫瘤形成型は早期にイレウスを併発し, 予後が最も悪い. 根治的外科治療は不可能であるが, 腹腔内に限局して腫瘍が発育するため, 欧米では局所療法に重点が置かれる. 新規葉酸拮抗薬などの良好な抗中皮腫活性をもつ抗癌剤が登場し, 全身化学療法による奏効が得られるようになっている.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る