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DIC―新しい診断基準とトピックス―

Ⅱ.DICの治療とそのトピックス アンチトロンビンⅢ

射場敏明

Surgery Frontier Vol.14 No.3, 35-39, 2007

生理的抗凝固物質であるアンチトロンビンIII(AT-III)は, 凝固活性化状態であるDICにおいて, 重症度にしたがって活性が低下することが知られている. このため, わが国ではヘパリンとともにAT-IIIの補充を行い, 活性を正常域内に回復させる治療が一般的に行われている. しかし, 諸外国においては, むしろAT-IIIの血管内皮機能調節作用や臓器障害改善効果が注目され, 重症敗血症における生存率の改善が検討されている. 興味深いことに, この目的のためには, 上記のような投与法は不適切であることが明らかにされた. すなわち, 複数の臨床試験により, AT-IIIは活性が正常を超える(120~140%以上を目指す)ような大用量を, 一定の重症度に対し(予測死亡率30~60%に対して), 単独で(ヘパリンを併用しない)使用すれば敗血症の転帰を改善し得ることが示唆されているが, いまだ十分検証されるには至っていない. 今後, 作用機序を含めてAT-IIIの効果をさらに検討していくことが必要である.

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