骨・軟骨研究の基礎と臨床
基礎編 骨形成研究
THE BONE Vol.22 No.3, 37-41, 2008
Runx2は, Runxファミリーに属する骨格形成の分子基盤をなす転写因子であり, 転写共役因子Cbfβとヘテロダイマーを形成し, 骨芽細胞分化と軟骨細胞分化の両者に必須な役割を果たす. 骨芽細胞の形質獲得には, canonical WntシグナルとOsterixも必須である. さらにIhhは, 軟骨周囲の間葉系細胞にRunx2を誘導して骨芽細胞へと分化させ, 軟骨細胞分化と骨芽細胞分化をリンクさせる. Runx2が高発現している未熟骨芽細胞は, woven boneを形成する. そして, Runx2の発現低下とともに骨芽細胞は成熟し, 層状骨が形成される. 「はじめに」1997年, Runx2が骨芽細胞分化に必須な因子として同定された(図). Runx2はショウジョウバエの体節形成遺伝子の中のペアルール遺伝子の1つであるruntにホモロジーをもつ転写因子である1). runtにホモロジーをもつ遺伝子は, 他にRunx1/Cbfa2/Pebp2αB, Runx3/Cbfa3/Pebp2αCがあり, Runxファミリーと呼ばれる.
記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。
M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。