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肝癌up to date
診断 病理診断(特に小肝細胞癌について)
中島収
/ 矢野博久
Pharma Medica Vol.25 No.6, 35-39, 2007
「はじめに」近年, 臨床的な肝細胞癌(肝癌)のハイリスクグループfollow upシステムの確立や画像診断の著しい進歩により, 小さな肝癌が数多く発見されるようになり, 治療の対象となっている. これにともない, 小肝癌切除症例も病理学的に数多く検討され, 「早期肝癌」の概念など確立されてきた1)-4). 本項では, 早期肝癌を含む小肝癌の病理形態像について概説する. I. 肉眼形態 切除肝癌の肉眼分類として「原発性肝癌取扱い規約」5)では, 肝癌を境界不明瞭型, 単純結節型, 単純結節周囲増殖型, 多結節癒合型, 浸潤型の5型に分類している(図1). 腫瘍径の小さな初期の肝癌(径1cm前後)の主な肉眼型は, 腫瘍境界の不明瞭な境界不明瞭型と明瞭な結節を形成する単純結節型に大別される. 径2cm前後になると境界不明瞭型は少なくなり癌結節周囲に浸潤増殖する単純結節周囲増殖型, ほぼ同等の癌結節が複数個癒合した形態をとる多結節癒合型がみられるようになる. 被膜や隔壁形成は肝癌の形態学的特徴とされ, これらの画像による描出は肝癌の画像診断にとって重要所見の1つである6).
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