第61回日本鼻科学会学会賞受賞　鼻副鼻腔type2炎症の発症因子と増悪因子の解明

アレルギー性鼻炎と好酸球性副鼻腔炎は、鼻症状以外にも、頭痛や睡眠障害などのさまざまな症状を引き起こすため、患者の生活の質に直結している。これらの疾患は内服や点鼻薬、手術により症状の改善が期待できる。近年では分子標的治療薬が一部の患者で投与可能となり、治療戦略の大きな柱となった。一方で、これらの治療が奏効せず、患者の満足度を十分に得られない場合もある。なぜ同一の治療を行っても、個体差によって治療抵抗性や難治性を示すのか、そして難治化の特徴や原因は何であるのか、それらの問題については十分には解明されておらず、耳鼻咽喉科医にとって解決すべき大きな課題である。