高齢者に多い耳鼻咽喉科疾患
喉領域 咽頭表在がん
掲載誌
鼻アレルギーフロンティア
Vol.23 No.2 32-36,
2023
著者名
飯沼 智久
記事体裁
抄録
疾患領域
耳鼻科疾患
/
癌
診療科目
耳鼻咽喉科
媒体
鼻アレルギーフロンティア
咽頭表在がんは、近年内視鏡診断技術の向上によって発見されている咽頭表層に発生するがんを指す。「頭頸部癌取扱い規約」には、「咽頭・喉頭では癌細胞の浸潤が上皮下層にとどまり、固有筋層に及んでいないもの」を“表在癌”と定義している。咽頭の表在がんは、通常では内視鏡を用いた経口手術を主な治療法とし、場合によっては放射線治療または抗がん剤を組み合わせて治療を行う。これらの術式は周辺組織へのダメージを最小限に抑え、従来の切除手術に伴う合併症のリスクを低減させることに成功している。咽頭表在がん患者の予後は一般的に良好で、早期に発見し治療した場合には高い治癒率が報告されている。しかし、経口手術の難易度は腫瘍の大きさや病変の部位にも左右され、合併症には誤嚥や窒息など生命に危険を及ぼすものも多い。特に年齢や健康状態など、さまざまな要因に左右される可能性がある。
本稿では咽頭表在がんの診断や治療の発展とともに、筆者らが行った検討などを紹介させていただく。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

