アレルギーマーチ1)2)はアトピー素因をもった児が、臓器や病態を変えながら食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を発症することを表した概念である(図1)。アレルギー性鼻炎はアレルギーマーチの後半で発症すると考えられていたが、その後の疫学調査ではもっと早い段階で発症し、気管支喘息発症の危険因子になることも報告されている。特に小児アレルギー疾患において、ダニの感作が与える影響は大きく、アレルギーマーチの観点から見れば、ダニ通年性アレルギー性鼻炎の発症予防は、気管支喘息の発症予防につながる可能性がある。
本稿では、疫学調査、免疫療法の予防効果、口蓋扁桃摘出が気道アレルギーに与える影響について、これまでの報告をレビューする。

