座談会 Round Table Discussion
小児アレルギー性鼻炎診療の動向と課題~花粉症の増加で小児アレルギー疾患の全体像が変化~
掲載誌
鼻アレルギーフロンティア
Vol.23 No.2 7-15,
2023
著者名
大久保 公裕
/
増田 佐和子
/
吉原 重美
記事体裁
抄録
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座談会・対談
疾患領域
アレルギー・免疫
/
耳鼻科疾患
診療科目
アレルギー科
/
耳鼻咽喉科
媒体
鼻アレルギーフロンティア
近年、小児のアレルギー性鼻炎患者の増加が注目されています。大気汚染などの環境変化や食生活の変化の他、花粉症発症年齢の低年齢化も小児アレルギー性鼻炎患者の増加の一因と考えられています。花粉症は口腔アレルギー症候群を引き起こすことが知られています。この口腔アレルギー症候群は、一般的には野菜・果物と花粉との交差抗原性によって起こる症候群として捉えられることから花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome:PFAS)とも呼ばれ、花粉症の増加がPFASの増加にも関連している可能性が指摘されています。アレルギー素因のある小児では、成長に伴いアトピー性皮膚炎や気管支喘息など他のアレルギー疾患を発症する「アレルギーマーチ」への対策も必要です。また、アレルギー性鼻炎は感染性鼻炎との鑑別がつきにくく、特に小児では自覚症状の把握も難しいことから診断は容易ではありません。本座談会では、小児アレルギー性鼻炎診療の第一線で活躍されている耳鼻咽喉科と小児科それぞれのお立場の先生方に、小児アレルギー性鼻炎の疫学から臨床像、検査、治療、PFASとの関連、そして舌下免疫療法をはじめとする新たな治療の小児への展開まで、現状と課題をお話しいただきました。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

