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第25回バイオメディカルフォーラム Session 1 一般演題「敗血症病態における好中球の役割」総説 重症感染症における好中球機能・シグナル異常とその制御

Aberrant signal and function in neutrophils in severe bacterial infection and development of a way to control the abnormality

バイオメディカル Vol.25, 9-14, 2015

「要旨」好中球は細菌・真菌感染症に重要な役割を果たすが,殺菌作用に加えて免疫調節機能も有し,それは機能分子の表出,生理活性物質の産生,他の免疫担当細胞との相互作用などにより司られている。好中球は短命で刺激されやすく,機能解析が難しい細胞のため,詳しい解析は十分ではなかった。私たちは今までにBTK欠損患者の好中球を用いて,BTKがROS産生を調節する分子であることを明らかにしてきた。BTKは細胞質内でTIRAPと会合し,軽微な刺激によりROS産生および好中球のアポトーシスが誘導されないように機能している。ここで用いたように蛋白導入手法などを用いれば,生化学的解析が行える状況である。敗血症における好中球の検討は進んでおらず,また起因菌,検査時期,治療内容等でも結果が異なることがさらに問題を大きくしている。私たちは敗血症における好中球機能を経時的に解析する研究を開始した。ここでは表面抗原発現,mRNA発現,シグナル伝達系,好中球機能を多角的に検討する。これらの統合的研究により,過剰炎症反応,免疫抑制に鍵となる分子を同定できるのではと考えている。
「キーワード」貪食細胞,BTK,活性酸素,シグナル伝達,蛋白導入

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

抄録