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バイオメディカルフォーラム

開会挨拶 総説 侵襲病態における好中球,血小板,凝固反応とその連関の新たな側面

久志本成樹

バイオメディカル Vol.22, 4-10, 2012

「要旨」SepsisとSIRSの病態概念は, 病原微生物に対する生体の過剰炎症反応によって形成されるものとして提唱された. しかし, 非感染性病態における炎症反応のメカニズムは明らかでなかった. 近年, 病原微生物に由来して炎症を惹起する分子パターンがpattern recognition receptors(PRRs)により認識されることが重要であり, さらに, 細胞内(生体内)に存在して炎症を惹起する分子パターンもPRRsにより認識されることが明確となり, 非感染性炎症反応も説明可能となった. 一方, SIRSに伴う臓器障害の発現には好中球と血管内皮による相互作用がメカニズムの中心であり, 治療標的として位置付けられ続けてきたが, 接着分子には「接着」を超えた役割があること, 好中球は独立した細胞として傷害を惹起するのではなく, 血小板, 赤血球との相互作用があること, ミトコンドリアには敗血症性臓器障害, 免疫反応, そして全身性炎症反応のいずれにも関与することが示された. 新たな細胞の役割と相互作用, 病態概念が呈示され, 大きな変化の続く侵襲病態の捉え方の新たな一側面を概説した.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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