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再生医療最前線

培養真皮のバンキングシステムの確立

黒柳能光

再生医療 Vol.5 No.1, 119-126, 2006

組織工学(Tissue Engineering)という概念, すなわち『組織機能の再生, 維持, 修復を目的とする生物学的代替品の開発に工学と生物学を応用する学際的な研究分野』が1993年にLangerとVacantiにより提唱された1). 実際には, 皮膚分野の研究は, 組織工学の概念が提唱されるよりもずっと以前から始められていた. たとえば, 1979年にGreenにより報告されたものは, 角化細胞を重層化した培養表皮である2). また, 同年にBellにより報告されたものは, コラーゲンゲル内に線維芽細胞を組み入れ, その上に, 角化細胞を重層化した培養皮膚である3). その後, いくつかの培養皮膚代替物が開発された. 皮膚再生分野においては, 皮膚の代替物を作成するという単純な発想では実践的な医療は成立しない. その理由は, 患者自身の健常な皮膚から分層皮膚を採取して, これを全層皮膚欠損創に移植する『自家分層皮膚移植』という最強の治療方法を無視できないからである. このゴールドスタンダードである自家分層皮膚移植に代わる治療が培養皮膚代替物で可能であるか否か? あるいは, 自家分層皮膚移植に対して補完的な治療が培養皮膚代替物で可能であるか否か? このような観点から, 実践的皮膚再生医療として成立する培養皮膚代替物を見極める必要がある.

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