<< 一覧に戻る

診断(インフルエンザ)

臨床的診断基準の精度

河合直樹岩城紀男前田哲也河村研一廣津伸夫池松秀之柏木征三郎

インフルエンザ Vol.8 No.2, 47-54, 2007

迅速診断法により診断されたA型(A/H3N2主体), B型での検討で, 38℃を超える高熱者の割合は6歳以下ではA, B型ともに90数%以上に対して, 65歳以上ではA型65.9%, B型61.5%にとどまった. 咳はA, B型を問わず全年代で80%以上にみられたが, 鼻汁, 食欲不振, 消化器症状などは小児のほうが成人よりも高率に出現した. 症状診断基準のうち厚生労働省の4基準はA型では陽性試験予測率が90.7%と高かった. 同基準の精度は成人ではほぼ70%あるのに対し, 高齢者では51.9%と低かった. また, Monto基準の「咳と37.8℃以上(65歳以上は37.2℃以上)の発熱」の精度はA型75.6%, B型64.1%とB型でやや低かった. 体温基準を主体とした現状の症状基準によるインフルエンザ診断には限界があり, 特に高齢者やB型などでは迅速診断法が必須と考えられた. 「はじめに」 抗インフルエンザ薬(抗イ薬)が普及し, さらにその抗イ薬に対する耐性ウイルスの問題がクローズアップされている現在, インフルエンザの正確な診断は的確な治療や感染予防の観点からもきわめて重要となっている1)-10). このインフルエンザの診断において, 近年開発されたインフルエンザ迅速診断キットは種々の改良を重ねて現在では高い精度を得るに至っている11). しかし迅速診断を発熱などの患者全例に実施することは必ずしも現実的ではなく, またときに実施が困難なケース, 医療機関の受診や診断の時機を逸してしまうケース, サーベイランスを目的としたケースなど, 迅速診断を実施できない場合も少なくない. また, 迅速診断が広汎に実施されるようになって, 症状が非典型的な患者のなかにもインフルエンザが少なからず含まれていることもわかってきた.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る