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侵襲をめぐるQ&A

(刺激伝達系)Q TGF-βシグナル阻害による癌治療の可能性について教えて下さい

江幡正悟宮園浩平

Surgery Frontier Vol.15 No.2, 91-93, 2008

A「はじめに」進行癌においては, transforming growth factor-β(TGF-β)の産生がしばしば亢進している. TGF-βは癌の浸潤・転移を促進させるため, 新たな分子標的として注目されており, 最近ではTGF-βシグナルを制御する薬剤が次々と開発され, 臨床治験が開始されつつある. TGF-βファミリーの細胞内シグナル伝達機構 TGF-βはI型とII型の2種類のセリンスレオニンキナーゼ型レセプターに結合し, 両者のヘテロ四量体形成を誘導する(図1)1)2). その結果, II型レセプターのセリンスレオニンキナーゼがI型レセプターをリン酸化してI型レセプターキナーゼを活性化し, Smad2もしくはSmad3がリン酸化を受け, Smad4と複合体を形成する. Smad2/Smad3とSmad4の複合体は核内へ移行し, さまざまな転写因子や転写共役因子と結合し, 標的遺伝子の転写を調節する. なお, TGF-βシグナルを負に制御する抑制型SmadであるSmad7は, TGF-βシグナルの標的遺伝子のひとつであり, ネガティブフィードバック因子として機能している(図1).

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