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知っておきたい悪性中皮腫

アスベスト関連疾患の発症機構

―悪性中皮腫を中心として―

西村泰光前田恵村上周子熊谷直子林宏明大槻剛巳

Surgery Frontier Vol.15 No.2, 8-13, 2008

Summary アスベスト関連疾患への発症機構としては, 線維化と癌化の二方向を考慮しなければならない. 線維化の代表疾患が石綿肺であり, 癌化ではアスベスト関連肺癌や悪性中皮腫が該当する. 線維化については, アスベスト繊維の長さと処理役としての肺胞マクロファージ, 産生するサイトカインとの相互作用が重要である. 癌化について悪性中皮腫をモデルに考えると, 腫瘍抑制遺伝子として細胞周期にかかわるp16INK4a, p14ARF, 細胞の接着や増殖にかかわる神経線維腫症2型遺伝子(NF-2)の欠失あるいは発現低下が知られている. また増殖因子としては, PDGF, HGF, IGFなどが関与するとともに, 血管新生ではVEGFが重要性である. 加えて, BCI-XLやテロメラーゼの変化による抗アポトーシスや不死化能の獲得も癌化には関与している. なお, アスベストによる腫瘍免疫の減弱も癌化に影響している可能性がある. 「はじめに」アスベスト関連疾患には, 石綿肺, 良性石綿胸水(アスベスト胸膜炎), びまん性胸膜肥厚, 円形無気肺などの非腫瘍性疾患と, アスベスト関連肺癌および悪性中皮腫という腫瘍性疾患がある1)2).

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