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侵襲をめぐるQ&A

(接着因子,ケモカイン)Q 消化器癌におけるムチンの発現と臨床的意義について教えて下さい

澤田鉄二木村健二郎平川弘聖

Surgery Frontier Vol.14 No.3, 96-99, 2007

A はじめに ムチンは, 通常, 消化管や気道などの内腔を覆い粘液の役割を担う糖蛋白質であり, 消化管では胃酸, 消化酵素, 細菌から粘膜を保護する目的で正常粘膜上皮細胞から産生される. 癌化に伴って癌細胞は, 発生母地の正常上皮とは異なるムチンの産生や, 異常な糖鎖が結合したムチンを産生するようになり, これらは癌関連糖鎖抗原として発現し, 質的あるいは機能的異常を来たすようになる. <ムチンとは> ムチンは, 産生される臓器により異なるが, 概ね類似した構造を示す. 中心となるコア蛋白質は, 一定個数のアミノ酸配列で占められる部分を含み, また, この同じアミノ酸配列の部分が何度も繰り返し反復して存在し, タンデムリピートとよばれる. このムチンのコア蛋白質をコードする遺伝子は, 最初にMUC1ムチンでクローニングされ, MUC1のタンデムリピートは20個のアミノ酸残基からなり(MUC2では23, MUC3-17, MUC4-16, MUC5AC-8, MUC6-169など), 20~120回反復することが明らかとなっている1)2). また, このタンデムリピート内のアミノ酸, セリン(Ser)およびスレオニン(Thr)が0型糖鎖結合部位となり, 多数の糖鎖が結合, 伸長し, 巨大高分子として存在するが, この糖含量はムチン全体の約50%にも達する.

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