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侵襲をめぐるQ&A

(接着因子,ケモカイン)Q 癌の発生,進展におけるカドヘリン-カテニン系の役割について教えて下さい

辻谷俊一池口正英

Surgery Frontier Vol.14 No.3, 92-95, 2007

A はじめに 癌転移の最初のステップを考える場合, 癌細胞の離脱, 細胞間の接着の低下が考えられる. 細胞と細胞が接着する現象は一見, 静的なようだが, 実際の細胞間接着は極めて動的であり, 複雑な機構によって制御され, 初期発生の原腸陥入などで移動する細胞は接着と脱着のサイクルを繰り返しながら目的の場所に到達する. 多数の細胞間接着分子の中で, カドヘリン-カテニン系の制御については, 最も多くのことが明らかになっている. <カドヘリン> カドヘリンは, 発見当初, カルシウム依存性の細胞間接着分子として同定された. 現在では, 種々のカドヘリンがさまざまな生物に存在することが明らかになり, 総合してカドヘリンスーパーファミリーとよばれている. カドヘリンモチーフ(図1-A)はこれらに特有なもので, 繰り返し構造を呈する部分は細胞外に存在する. 細胞外ドメインの先端にホモフィリック相互作用部位があり, 近接する細胞との間に結合が生じて細胞接着が起こる1). 細胞内ドメインにはカテニンが結合し, カドヘリンを裏打ちする.

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