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脂肪細胞の解析

第16回 脂肪細胞の分化および肥大の機構(7) 脂肪細胞肥大と脂肪滴形成:ペリリピンの機能

佐藤隆一郎

The Lipid Vol.18 No.4, 73-76, 2007

はじめに 脂肪滴はリン脂質一重層に覆われ,おおむねすべての細胞に普遍的に存在している.多くの場合,余剰の脂肪を細胞質に一時的に蓄える役割を担っているが,脂肪細胞においては脂肪蓄積,分解・放出を通じて個体レベルでのエネルギーバランスに重要な役割を演じている.最近の研究結果によると,脂肪滴は単なる一時的な脂肪蓄積貯蔵庫というより,一種の細胞内小器官(オルガネラ)として積極的な機能を果たしていることが推定され,このような新たな概念から「アディポソーム(adiposome)」と命名されている1).脂肪滴を精製し,そこに局在する蛋白質を網羅的にプロテオーム解析を行うと,種々の小胞体膜蛋白質,小分子G蛋白質などが見い出されてくる.ある種の小胞輸送はアディポソームをhubとして経由し行われる可能性が提案されている.成熟脂肪細胞を考えたとき,脂肪滴はもはや細胞内小器官ではなく,空間的には大器官であり,その形成機構,表面,その周辺で生じる種々の物理的,化学的反応を詳細に明らかにしていくことが,脂肪細胞の総合的理解に不可欠となっている.

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