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症例検討 脂質代謝異常症への多角的アプローチ

新たに見い出されたlipoprotein lipase欠損症(Gly188Arg)によるカイロミクロン血症の1例

高田耕基豊田康嗣平岡明人光波直也長野誠服部浩明

The Lipid Vol.18 No.2, 86-93, 2007

「はじめに」リポ蛋白リパーゼ(LPL)遺伝子は, 第8染色体q22に位置し, DNAは10エクソン, 30kbよりなる. 脂肪細胞や心筋, 骨格筋, 胎盤, 乳腺, マクロファージで合成され, 475アミノ酸として分泌されたのちに, signal peptidaseによって448個のアミノ酸の成熟型LPL(分子量約6万)になる. LPLは内皮細胞表面のヘパラン硫酸プロテオグルカンに結合して血管壁に存在し, アポリポ蛋白CIIを活性化因子としてカイロミクロンや超低比重リポ蛋白(VLDL)に作用して, リポ蛋白粒子中のトリグリセリドを分解して遊離脂肪酸を生成する. LPLはカイロミクロンをカイロミクロンレムナントに, VLDLを中間型リポ蛋白(IDL)に代謝するため, 低比重リポ蛋白(LDL), 高比重リポ蛋白(HDL)の生成にも関与する. LPL欠損症ではトリグリセリド値が1,000~10,000mg/dlにも及ぶ増加を示し, カイロミクロン血症を示す一方で, LDLコレステロール値, HDLコレステロール値の低下を示す. 1932年BurgerとGrutsによって家族性I型高リポ蛋白血症第1例が報告され, 1960年HavelとGordonによって, その原因がヘパリン静注後に血漿中に存在する脂質分解物質の低下によると判明した. 1974年Kraussがヘパリン静注後の血清より脂質分解物質をLPLとHTGL(肝性リパーゼ)に分離し, そのうちLPL低下が家族性I型高リポ蛋白血症の原因であることを示した.

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