骨・軟骨研究の基礎と臨床
臨床編 骨・軟骨疾患の現状と将来(5)変形性関節症
THE BONE Vol.22 No.3, 109-113, 2008
変形性関節症は運動器を侵す疾患の中で最も多くみられるcommon diseaseであり, 患者およびその予備軍は膨大な数に上る. 重度の関節障害者に対する関節機能を再建する人工関節置換術の進歩には著しいものがあるが, 手術に至らない軽度~中等度の関節障害者に対する治療には対症療法しかないのが現状である. 大規模疫学調査による危険因子および自然経過の把握, 感受性遺伝子の検索による個々人におけるリスクの評価, 早期診断方法の確立, 根治療法の開発が望まれている. 「はじめに」変形性関節症(osteoarthritis:OA)は運動器領域で最も多い疾患の1つであり, また, 疼痛・歩行障害によって日常生活機能を低下させる重大な生活習慣病に位置付けられ, わが国では膝OAの罹患率は1,000万人ともいわれる. 高齢化に伴い患者数は増え続けることが予想されるが, OAの発症・進展機序についてはほとんど解明されていない. 「疫学」OAの自然経過は緩徐であることから大規模疫学調査は難しいとされる.
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