<< 一覧に戻る

肝癌up to date

治療 肝移植

嶋村剛谷口雅彦鈴木友己山下健一郎古川博之藤堂省

Pharma Medica Vol.25 No.6, 55-58, 2007

「はじめに」わが国の肝不全による年間死亡者数は4~5万人で, そのうち肝癌によるものが3万人を超える. 肝癌に対しては, 肝不全の程度と腫瘍の進展度に応じて外科的切除, 局所療法[マイクロ波凝固療法(MCT), ラジオ波焼灼療法(RF), 経皮的エタノール注入療法(PEI)], 動脈塞栓術ならびに動注化学療法などが選択されてきた. 近年, これらに肝移植が治療のオプションとして認識されつつある. I. 脳死肝移植領域での進展 肝癌に対する肝移植は癌病巣とともにその発生母地である硬変肝を摘出することから, 最も根治性の高い治療法である. その初期の結果は惨憺たるものであったが, 1996年のMazzaferroらによるミラノ基準の提唱を機に状況が一転した1). すなわち, 腫瘍の進展度によって症例を選択すればきわめて良好な予後(5年生存率74%)が得られることが判り, ミラノ基準内の肝癌患者に限って脳死肝移植の適応とすることが, 欧米ならびにわが国での現在のコンセンサスとなっている. 米国では, 待機患者が腫瘍進展から基準外へ逸脱し移植の機会を失うことを避けるため, 基準内の患者に臓器配分の優先順位が与えられるまでになっている. これにより近年, 肝癌に対する脳死肝移植は増加の一途を辿っている.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る