この100年間,数種類の新型インフルエンザが発生しています(表1).その中で人類にとって最も怖い新型インフルエンザは1918年に発生したスペインインフルエンザでしたが,発生2年間に世界で数千万人,日本で約40万人が死亡しました.以前から国内で恐れられている新型インフルエンザは,スペインインフルエンザのような人類が免疫をもっていないゆえ非常に感染しやすく,そして致死性の高いインフルエンザです.ウイルスの多くは鳥インフルエンザウイルスの変異で生じています.その点,先のブタインフルエンザ由来のH1N1pdmは新型インフルエンザと呼ばれましたが,病原性は季節性インフルエンザ程度で,致死率もそれほど高くはありませんでした.新型インフルエンザは忘れたことに発生しています.鳥の世界のインフルエンザウイルスがさまざまな方法で変異して,ヒトの世界の新しいインフルエンザを補充しているかのようです.
「Key Words」新型インフルエンザ,鳥インフルエンザ,H7N9,H5N1
「Key Words」新型インフルエンザ,鳥インフルエンザ,H7N9,H5N1