QUESTION & ANSWER(インフルエンザ)
抗原原罪説とはどういう意味ですか.
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- 掲載誌
- インフルエンザ Vol.13 No.2 29, 2012
- 著者名
- 加地正郎
- 記事体裁
- 抄録
- 疾患領域
- 呼吸器 / 感染症
- 診療科目
- 一般内科 / 呼吸器内科 / 耳鼻咽喉科 / 老年科 / 小児科
- 媒体
- インフルエンザ
インフルエンザAウイルスはかなりの長年月の間隔をおいて抗原の不連続変異による新型登場で世界的な大流行を起こします(図1). それに対して, 人は生まれて最初に感染を受けたA型ウイルスの抗原型を最も強く記憶し, その後の人生において別の型のAウイルスに感染した場合, その型に対する免疫だけでなく, あらかじめ記憶しているA型の抗体産生に対する抗原刺激も受けるのです. この現象を抗原原罪説といいます. ミシガン大学のThomas Francis, Jr.教授の提唱による“Theory of original antigenic sin”に由来します. このoriginal sin「原罪」とは, 人類の祖であるアダムとイヴが神の命に背いて禁断の木の実を食べた罪であり, 人類は生まれながらにしてこの「原罪」を負っている(旧約聖書, 創世記第三章)とするところからの引用です. 1957年のアジアインフルエンザの病原は, およそ70年の間隔をおいてのA/H2N2ウイルスの再登場であることが明らかとなりましたが(図1), このことは当時, その流行以前に採取保存されていた70歳以上の一部の人の血清中にすでにこのウイルスに対する抗体の存在が証明された事実によりますが, この70年もの長期にわたる血清中の抗体の存在が, この抗原原罪説で説明されているのです.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
