「はじめに」ヒト腸内細菌叢の細菌ゲノムの集合体(マイクロバイオーム)をシークエンスするメタゲノム解析1)2)と,大容量の配列決定能をもつ次世代シークエンス(NGS)技術の開発によって,複雑で多様なヒト常在菌叢を俯瞰的に評価できるようになった3)。加えて,日米欧などからなるInternational Human Microbiome Consortiumが2008年に発足し,大量データに基づいた国際的なマイクロバイオーム研究が進展した4)。これらの研究を通して,腸内細菌叢が個体の成熟化や恒常性の維持に必須であることや,一方で,その破綻(dysbiosis)が消化器系疾患を含めた全身的なさまざまな疾患と関連することが明らかとなった5)-13)。
「細菌叢シークエンス解析」NGSを用いた腸内細菌叢シークエンス解析の概略を図1に示す。①16SリボソームRNA (16SrRNA)遺伝子のシークエンス(16S解析),②分離培養された細菌株の個別ゲノムシークエンス解析,③細菌叢のメタゲノムシークエンスの3つが主な解析法である。
「細菌叢シークエンス解析」NGSを用いた腸内細菌叢シークエンス解析の概略を図1に示す。①16SリボソームRNA (16SrRNA)遺伝子のシークエンス(16S解析),②分離培養された細菌株の個別ゲノムシークエンス解析,③細菌叢のメタゲノムシークエンスの3つが主な解析法である。