「Summary」肺炎球菌は,濃厚接触時に飛沫感染などにより感染し,小児と高齢者を中心に感染症を発症するが,特に,本来無菌であるべき部位から検出された場合,侵襲性肺炎球菌感染症(invasive pneumococcal disease:IPD)と呼び,感染症法において5類感染症に指定されている。病原因子のひとつに莢膜の存在が挙げられるが,これをターゲットにした肺炎球菌ワクチンが開発され,現在わが国では23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンおよび沈降13価肺炎球菌結合型ワクチンが使用可能である。感染対策として,これらワクチンの接種率を向上させることで,大きな効果が期待されるが,その他,咳エチケットを含めた標準予防策の徹底,およびアウトブレイクに対する監視が必要である。さらに,感染症発症者の周囲の患者が易感染状態である場合には,カーテン隔離や,ベッド間隔を確保することが望ましい。
「Key Words」侵襲性肺炎球菌感染症,莢膜,23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン,沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン,沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン
「Key Words」侵襲性肺炎球菌感染症,莢膜,23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン,沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン,沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン