外科的治療をより安全に行うためには,生体への侵襲をできる限り軽減する必要があり,近年この侵襲に関する研究はますます重要視され,飛躍的な進歩を遂げている。本誌は侵襲学およびその周辺の基礎科学の最新の研究成果を速やかに,ビジュアルな誌面構成で提供し,外科臨床におけるその応用の促進をはかる。
■特集 危惧する感染症―院内感染防止対策―
○特集によせて/平田公一
1.薬剤耐性緑膿菌感染症の制御/高倉俊二
2.侵襲性肺炎球菌感染症/樽本憲人 ほか
3.HIV感染症/遠藤知之
4.劇症型溶血性連鎖球菌感染症の院内感染対策/中嶋一彦 ほか
5.B型肝炎ウイルス感染症に関する最近の動向/水口 徹 ほか
6.カルバペネム耐性腸内細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae:CRE)感染症/三鴨廣繁 ほか
7.エボラウイルス病/中山絵里 ほか
■連載
◎What's New in SURGERY FRONTIER
・第86回 常在細菌叢の解析と治療的応用
①ヒトマイクロバイオームのシークエンス解析/服部正平
②メタボロゲノミクスによる腸内細菌叢の機能理解/福田真嗣
③NASHと腸内細菌叢/目黒 誠 ほか
④高度侵襲外科手術と腸内細菌叢/横山幸浩 ほか
◎実験講座
167.癌の難治性の解析に必要な情報入手法とその数理統計解析方法/内龍太郎 ほか
168.ラット胃・十二指腸液逆流モデルを用いた発癌研究/向所賢一 ほか
◎腫瘍をめぐるQ&A
Q82.周術期の血栓予防について教えてください/畑 泰司
Q83.食道癌に対する胸腔鏡下手術について教えてください/山本昌明 ほか
Q84.今解き明かされるオートファジーと癌との関連性とは?/山下公太郎 ほか
◎バイオマーカーをめぐるQ&A
Q15.EpCAMは肝細胞癌治療の標的分子となりうるか?/藍原有弘 ほか
Q16.hERO1-Lα発現による乳癌予後予測は可能か?/九冨五郎 ほか