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Essay 痛みの記憶
腰痛―その不思議なるもの―
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- 掲載誌
- Practice of Pain Management Vol.2 No.2 202-63, 2011
- 著者名
- 菊地臣一
- 記事体裁
- 連載 / コラム / 全文記事
- 疾患領域
- 骨・関節 / その他
- 診療科目
- 整形外科 / その他
- 媒体
- Practice of Pain Management
戦後,公職追放で職を追われた父は,先祖伝来の柔術を活かし,“ほねつぎ”で家族を養ってくれた.母が入退院を繰り返していたため,生活の場は,父の診療室であった. そのような環境のなかで知ったのは,腰痛を訴える患者さんの多さであった.患者さんのほとんどは,当時は若・壮年者が占めていた.朝4時半からの治療開始,日中の短い瞑想を含む短時間の休息,そして夕食後における父との集団で,あるいは個別の話し合い,最後は深夜の父の寮(病棟ではない)の見廻りでの眠れない患者さんへの声掛け,観察,そしてずれた掛け布団の直しなどが治療体系であった.それをみていて,「腰痛には,窺い知れない何かが在る」というのが幼い心に強く刻み込まれた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
