てんかんからみる人物の横顔~異論異説のてんかん史~
第13回 症例Z(Doctor Z)
販売サイト「MeReBo」へ
- 掲載誌
- Epilepsy Vol.7 No.1 69-75, 2013
- 著者名
- 松浦雅人
- 記事体裁
- 抄録
- 疾患領域
- その他
- 診療科目
- その他
- 媒体
- Epilepsy
いつもの"回想"がより強く, より頻繁に起こった. そして, Zがいう"小発作(petit mal)", すなわち意識が曇るてんかん発作がはじめて生じた. 「はじめに」Doctor ZことArthur Thomas Myers(1851~1894年)は, 現代てんかん学の父John Hughlings Jackson(1835~1911年)が, 高等教育を受けた医師の症例として, 名前を伏せて繰り返し論文に記述したpatient Zである. Zは子どもの時から発作性の特異な感覚を経験していたが, それがてんかんの微小な症状であると考えるに至った. しかし, 当時の一般的なてんかんの理解は, 末梢神経からの異常な刺激が脳内血流を変化させることによって生じるけいれん, あるいは脳幹の過剰な反応によって生じる反射性のけいれんとされており1), Zが当時の医師に相談しても病的なものと扱ってもらえなかった.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
