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アンチエイジングから降圧配合剤を考える

骨(骨粗鬆症)より

中神啓徳志水秀郎森下竜一

Anti-aging Science Vol.3 No.3, 26-30, 2011

はじめに
 わが国も超高齢化社会を迎え,加齢とともに急増する生活習慣病対策が急務となってきている.骨粗鬆症と高血圧は現代の高齢化社会でともに急増する疾患であり,その両者の病態に共通する分子基盤を解析することは新しい治療法・予防法の開発へとつながる.本稿では骨粗鬆症と高血圧の関連に関して,特に降圧薬の骨への作用に着目した切り口から降圧配合剤の可能性について概論する.

Key Words
●骨粗鬆症 ●副甲状腺ホルモン ●レニン・アンジオテンシン系 ●破骨細胞

Ⅰ 高血圧症と骨粗鬆症

 骨粗鬆症と高血圧の関連性を検討した臨床研究では,収縮期血圧と大腿骨の骨密度(bone mineral density:BMD)とに相関が認められ1)(図1),本邦の報告でも同様に収縮期血圧と骨量(bone mass)との間に相関を認め2),カナダでの多施設骨粗鬆症研究でも高血圧は骨量の増加あるいは脊椎変形数の減少などと相関していることが示されている3).

骨折の頻度においても,65歳以上の女性で高血圧症が骨折の頻度を増加させる(オッズ比1.45,95% 信頼区間1.2-1.7)ということも報告されている4).
 この病態関連の機序として,高血圧患者で尿中のカルシウム排泄は増加していることが知られているが,これが2次的に血中副甲状腺ホルモン(PTH)の増加,腸管でのカルシウム吸収の増加などを引き起こすことが知られている5) 6).実際に尿中カルシウム排泄の増加は骨量とは逆相関することから,尿中カルシウム排泄の増加を補正するための副甲状腺機能の2次的な亢進(続発性副甲状腺機能亢進症)が,骨からのカルシウムの流出を促して骨量と減少させ骨の強度を低下させると考えられている(図2).

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