うつ病は一般的にみられる精神疾患の1つであり,日常診療で遭遇する頻度が高い。そのなかで,抗うつ薬や精神療法といった一次治療では十分な効果が得られない治療抵抗性うつ病(TRD)は約3割にのぼる1)とされ,臨床上の大きな課題となっている。TRDの患者は社会的機能の低下や高い再発リスクが指摘されており2),自殺念慮を抱えるケースも少なくない3)。このような症例に対し,薬物療法に代わる治療手段として注目されてきたのがニューロモデュレーションであり,その代表が電気けいれん療法(ECT)と反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)である。今回は,東京慈恵会医科大学精神医学講座主任教授 鬼頭伸輔先生に,うつ病治療におけるECTとrTMSの臨床的位置付けについて解説いただいた。