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バイオメディカルフォーラム

Session 1「Antithrombin 何をし,どこまで行われたか?」総説 アンチトロンビンの生理と病態

朝倉英策

バイオメディカル Vol.22, 34-40, 2012

「要旨」アンチトロンビン(AT)は, 生体内の重要な抗凝固性蛋白の1つであり, トロンビン, Xaなどの活性型凝固因子を抑制する. ATの抗凝固活性はヘパリン存在下で飛躍的に増大する. DICに対して使用可能なヘパリン類は, ダナパロイドナトリウム, 低分子ヘパリン, 未分画ヘパリンである. ヘパリン類は, AT活性が低下した場合は十分な抗凝固効果が期待できないため, AT濃縮製剤を併用する. DICにおける血中AT活性の低下の機序としては, 消費性凝固障害, 血管外への漏出, 好中球エラスターゼによる分解肝での産生低下などが指摘されている. また, 敗血症における血中AT活性は, DICの有無にかかわらずアルブミン濃度と強く相関する. DICモデルのうち, LPS誘発モデルは臨床の線溶抑制型DICに, TF誘発モデルは線溶亢進型DICに類似している. どちらも同等の凝固活性化がみられるが, AT活性は前者モデルで低下しやすい.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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