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肝性浮腫―病態・診断・薬物療法

使用経験 腹水・浮腫を伴う非代償性肝硬変症例に対するトルバプタンの効果―尿浸透圧による有効性の評価―

Effect of tolvaptan in decompensated liver cirrhosis patients with ascites or hepatic edema; evaluation of efficacy by urine osmolality

林秀美長谷部千登美澤田康司細木弥生藤井常志

Fluid Management Renaissance Vol.4 Suppl., 90-94, 2014

「Summary」非代償性肝硬変症例の難治性腹水・浮腫に対する治療として,選択的バソプレシンV2受容体拮抗薬のトルバプタン(TLV)が使用可能となった。今回,TLVによる治療を試みた非代償性肝硬変症例に関して治療効果と効果予測因子を検討し,さらにTLV投与後の尿浸透圧変化と治療効果との関連につき検討した。TLVにより体重減少効果がみられた有効率は83%(10/12),投与7日後に3kg以上の体重減少がみられた例は64%(7/11)であり,従来の利尿薬治療で効果が不十分な症例における治療効果は十分に期待できる結果であった。副作用は重篤なものは認めず,Na値の異常上昇も観察された範囲ではみられなかった。なお,TLV投与前データによる治療効果予測は困難であった。投与後6時間での尿浸透圧は投与症例の多くで低下しており,その低下の程度は7日後の体重減少量と相関していた。相関から外れていたのは肝不全進行中の例・電解質異常例・腎機能低下例であり,このような要因をもつ症例では治療に注意が必要と考えられた。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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