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肝性浮腫―病態・診断・薬物療法

総論 腹水に対する薬物療法と問題点

Diuretic treatment and complication for cirrhotic ascites

泉並木

Fluid Management Renaissance Vol.4 Suppl., 47-52, 2014

「Summary」肝硬変による腹水や浮腫は,これまでループ利尿薬やスピロノラクトンによって治療されてきた。腹水が貯留するにつれて利尿薬が増量されるが,次第に血清Crの上昇などの腎機能障害がみられる。通常,フロセミドやスピロノラクトンの投与によって水利尿と低Na血症を合併しやすい。これまでの利尿薬投与を長期間続けると,電解質異常が23.5%,血管内脱水が9.0%,肝性脳症が3.6%にみられ,有害事象が多いことが知られるようになった。また,長期間の利尿薬継続の期間中に特発性細菌性腹膜炎の合併をきっかけにして急激な腎機能悪化をきたし,急性腎障害(AKI)を引き起こす場合がある。AKIを合併すると予後が悪いため,肝硬変患者の腹水や浮腫に対して利尿薬で治療を行っていく場合には腎機能低下に十分に留意すべきである。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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