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再生医療最前線

骨髄幹細胞を用いた肝臓再生療法の開発の試み

―臨床研究の状況の概説―

寺井崇二岩本拓也水永裕子大森薫山本直樹坂井田功

再生医療 Vol.6 No.4, 57-60, 2007

「はじめに」 肝臓自体は古くより再生する臓器と知られているが, 肝臓の病態が肝硬変症までに進んだ場合は, 再生不全状態に陥っている. 現在の非代償性肝硬変をはじめとした重症肝疾患の根治療法は肝移植(生体肝移植・脳死肝移植)である. しかしながら, 日本国内では脳死移植は少なく, 多くの場合は生体肝移植が行われているが, その実施においては臨床現場では多くの困難を伴う. この問題を解決するために現在, 肝再生医療の開発が強く求められている. 血液疾患患者に対する骨髄移植および末梢血幹細胞移植施行例(女性患者に男性ドナーより骨髄移植した症例)の剖検において, Y染色体陽性の肝細胞の存在が確認され, 骨髄細胞中に多分化能を有する幹細胞の存在が示唆された1)2). 我々は特に自己骨髄細胞を利用した肝不全に対する新たな治療法を開発したいと考え, 基礎研究, 臨床研究を行ってきた3)4). 本稿では, 我々が開発してきた肝硬変症に対する自己骨髄細胞投与療法[Autologous Bone Marrow Cell Infusion(ABMI)therapyの現状5)], また我々以外の施設における骨髄幹細胞を利用した肝再生療法の開発の現状についてCD133陽性細胞の門脈投与法6), G-CSF誘導によるCD34陽性細胞の肝動脈, 門脈投与法7)の臨床研究結果を比較し検討する(図).

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