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神経幹細胞と多能性幹細胞―わが国における幹細胞研究の最前線

Ⅱ.ES細胞 ES細胞を利用したパーキンソン病の治療

髙橋淳

再生医療 Vol.6 No.3, 44-51, 2007

「はじめに」 ES細胞はin vitroでの病態解明や創薬の分野において有用であるが, 細胞移植のドナーとしても期待されている. 神経難病に対する細胞移植治療として, 特にパーキンソン病に対する胎児細胞移植が行われてきた. パーキンソン病は黒質から線条体に投射するドーパミン産生ニューロンの脱落により固縮や振戦が起こる病気である. 1980年代以来, すでに数百例の胎児中脳黒質細胞移植が行われ, その有効性が報告されてきた. 近年, 二重盲検臨床治験の結果が報告され少なくとも60歳以下の軽・中症例には効果があることが明らかとなったが, 不随意運動の副作用も報告されているいる1)2). また胎児1体分と4体分の比較では後者でしか有意な行動改善が得られなかった. これらの結果から患者の選択, 移植細胞の量, 移植部位, 移植法などが再検討されている. しかし, 胎児細胞を移植に使うには供給面, 倫理面の問題があり, この治療法は広く普及するには至っていない.

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