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Ⅰ.発生学と再生医療

大脳皮質層形成機構の解明とその応用

味岡逸樹仲嶋一範

再生医療 Vol.5 No.4, 20-26, 2006

「はじめに」近年, 生体が本来もつ組織修復能力を利用した再生医療が注目を浴びており, 膵臓や肝臓などのさまざまな消化器官や骨などで近い将来の臨床応用が有望視されている. 進化の最高傑作とも評される脳の再生医療もまた, 近年の神経幹細胞研究の爆発的な進展から, 臨床応用が現実的なものとなってきた. 脳の再生医療ストラテジーは, 移植細胞などによる宿主神経細胞の修復を目的とするもの(「宿主細胞修復型」)(内在性幹細胞の賦活化を目指すものも含む)と, 移植細胞自身による宿主神経細胞の置換と再ネットワーク形成を目的とするもの(「移植細胞置換型」)とに大別される. 後者が成功すれば画期的で, 大きな展開が期待されるが, 脳という細胞社会の特質上, 移植細胞を目的の場所へと配置させ, かつ, 正確なネットワーク形成を再現させるのは極めて困難である. したがって, 主に「宿主細胞修復型」の再生医療が臨床応用も近いことから注目を浴びており, この1年に限ってもいくつかの素晴らしい総説が発表されている1)3). 本稿では, 将来的に重要視されるであろう「移植細胞置換型」の再生医療に着目し, 我々が行っているマウス大脳皮質層形成機構に関する研究を概説した後, 脳再生医療への応用可能性について論じた.

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