医療の進歩により小児期発症の慢性疾患を有する患者の多くが思春期・成人期を迎えるようになり,新しい医療分野である移行期医療の確立が必要となった.日本小児科学会は2014年に「小児期発症疾患を有する患者の移行期医療に関する提言」を示した1).この提言では,移行(トランジション)の方法として,①完全に成人診療科に移行する(転科・転院),②小児科と成人診療科の両方にかかる(併診),③小児科に継続して受診する,④どこにも定期的に受診しない,の4つのパターンが呈示された.また,本提言では,“患者およびご家族が望まない成人診療科への転科・転院を勧めてはならない”との勧告がなされている.小児の各領域の関連学会には,成人診療側の関連学会との連携を深め,各領域の特性にふさわしい移行のあり方を検討することが求められた.